特別支援教育・ICT活用ガイド

スイッチ教材・視線入力で使える
無料アプリ 完全ガイド

「自分の操作で何かが変わる」――その小さな成功体験が、子どもの世界を広げます。スイッチスキャンや視線入力に対応した無料のICT教材を、現役の特別支援学校教員が用途別にご紹介します。すべてインストール不要、ブラウザですぐに使えます。

🧑‍🏫 執筆:現役の特別支援学校教員

1スイッチ教材・視線入力とは

スイッチ教材とは、大きなボタン(スイッチ)を押すという、ひとつの単純な操作でコンピューターやおもちゃを動かせるようにした教材です。手指の細かい動きが難しい子どもでも、自分の意思で機器を操作できます。

視線入力は、目の動きをカメラで読み取り、画面を見つめるだけで操作できる技術です。視線入力デバイス(Tobii等)とPCを組み合わせて使います。発声や手の動きでの意思表示が難しい子どもにとって、視線は大切な「表現の手段」になります。

⚠️ 視線入力を使うときに必要なソフトウェア
  • Tobii Experience(Tobii社製 視線入力ソフトウェア)
  • 見るマウス(視線でマウスカーソルを操作するソフトウェア)

上記2つのソフトウェアが端末にインストールされていないと、視線入力が正常に動作しません。視線入力で使う前に、事前にインストール・設定を行ってください。(スイッチ操作のみで使う場合は不要です)
当サイトのアプリは、特別なソフトの準備なしにスイッチ教材として使えます。 ブラウザ上で動き、スイッチインターフェースから送られるスペースキー・Enterキーの入力を受け付けるため、市販の高価な教材を買わなくても、今日から因果関係の学習を始められます。

2なぜ「自分で操作する」体験が大切なのか

重度重複障害や肢体不自由のある子どもは、「自分が何かをすると、世界が反応する」という因果関係を体験する機会が少なくなりがちです。スイッチや視線で画面が光ったり音が鳴ったりする経験は、「自分の行動には意味がある」という気づきにつながります。

この気づきは、やがて「もっとやってみたい」という意欲、「これを選びたい」という意思表示、そして他者とのコミュニケーションへと発展していきます。ICT教材は、その最初の一歩を支える道具です。

3無理なく始める4つのステップ

1

因果関係に気づく

まずは「押したら反応する」というシンプルな体験から。光ったボタンを押す、タップすると音が鳴る、といった活動で「自分の操作が結果につながる」ことを実感します。

2

注意を向ける・目で追う

動くものを目で追う「追視」、ねらった場所を見る「注視」の練習へ。視線入力やマッチングのアプリで、見る力・選ぶ力を育てます。

3

選ぶ・伝える

「はい/いいえ」「もっと」など、選択肢から自分の気持ちを選んで伝える段階。コミュニケーションボードで意思表示の手段を広げます。

4

表現する・楽しむ

絵を描く、音楽を奏でるなど、創作・表現の活動へ。自分の操作で作品が生まれる喜びが、さらなる意欲を引き出します。

4視線入力で使えるアプリ

視線入力デバイス(Tobii等)に対応した、貴重な無料アプリです。視線だけで操作でき、手の動きが難しい子どもの表現とコミュニケーションを支えます。
※視線入力で使うには、お使いの端末に Tobii Experience見るマウス の両方をインストールしておく必要があります(上のセクション1を参照)。

視線入力対応
💬
コミュニケーションボード
自立活動 / AAC・意思表示

表情や発声での意思表示が難しい子どもが、スイッチ・視線・タップで「はい」「いいえ」「もっと」などの気持ちを伝えるためのAACアプリ。コミュニケーションの第一歩に。

👁 視線入力対応 🔘 スイッチスキャン対応
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🎨
おえかきひろば
創作表現 / お絵かき

ブラウザ上で自由に絵を描けるお絵かきアプリ。視線入力デバイス・タッチ・タッチペンなど多様な入力に対応し、運動機能に制限があっても創作・表現を楽しめます。

👁 視線入力対応
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🥤
どこかな?カップゲーム
認知支援 / 追視・注意

カップをシャッフルし、人形がどこに入っているかを当てるゲーム。カップの動きを目で追う「追視」の力を、視線入力やスイッチで楽しく育てます。

👁 視線入力対応 🔘 スイッチスキャン対応
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📋
きょうのきろく
自立活動 / 体調記録・きもち

子どもが視線・スイッチで「きょうのきもち」を選び、先生が体温・脈拍・服薬・発作などをまとめて記録できる支援ツール。記録はCSVで書き出して引き継ぎや支援計画に活用できます。気持ちの選択肢には写真・イラストも使用可能です。

👁 視線入力対応 🔘 スイッチスキャン対応
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5スイッチで使えるアプリ

スイッチスキャンに対応した無料アプリを、目的別にまとめました。因果関係の学習から、教科の学習、生活スキルまで幅広く使えます。

🌱 はじめの一歩(因果関係・注意)
💡
ひかるボタン
自立活動 / 因果関係

画面のボタンが光ったタイミングで、スイッチやタップで反応する練習アプリ。「自分の操作が結果につながる」という因果関係の理解を育てる、最初の一歩に最適です。

🔘 スイッチスキャン対応
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🎵
おんがくあそび
創作表現 / 音・リズム

タップやスイッチ操作で音が鳴る音楽体験アプリ。運動機能に制限があっても音楽あそびに参加でき、「自分が音を出した」という達成感を味わえます。

🔘 スイッチスキャン対応
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🎯
マッチング
認知支援 / 注意・記憶

同じ絵や写真のペアを見つけるカードめくりゲーム。注意・集中・記憶の力を育てます。オリジナルの写真でカードを作れるので、身近なものから取り組めます。

🔘 スイッチスキャン対応
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🎲 選ぶ・やりとりする
じゃんけん まなぼう!
認知支援 / 勝ち負け・ルール

グー・チョキ・パーの勝ち負け関係を段階的に学べるアプリ。ルール理解からクイズ、対戦まで、視覚的にわかりやすく取り組めます。

🔘 スイッチスキャン対応
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🎲
すごろく
認知支援 / 順番・数

さいころをふって順番を守りながらゴールを目指すすごろく。1〜10人でプレイでき、CPU対戦も搭載。順番を待つ、数を数える力を楽しく育てます。

🔘 スイッチスキャン対応
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📚 学習・生活スキル
ひらがな まなぼう!
学習アプリ / ひらがな

ひらがなの読み・筆順・なぞり書き・クイズを楽しく練習。スイッチスキャンに対応し、行ごとのカラーボタンで視覚的にわかりやすく学べます。

🔘 スイッチスキャン対応
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📅
スケジュール
自立活動 / 見通し

一日の予定を絵カード・写真・絵文字で視覚的に作成・確認できるアプリ。見通しを持って行動する力、自己管理の力を育てます。

🔘 スイッチスキャン対応
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ここで紹介したアプリ以外にも、当サイトにはスイッチスキャン対応のアプリが多数あります。なぞり書き、レジ、防災学習、方向・場所の学習、すうじ、タイムタイマーなど、用途に応じてアプリ一覧からお選びいただけます。

6導入のときに気をつけたいこと

その子の「できる入力」から始める

スイッチの押し方、視線の合わせ方は一人ひとり違います。まずは確実にできる操作を見つけ、成功体験を積み重ねることが大切です。

スキャン速度や設定を調整する

多くのアプリには、スキャン速度やゆっくりモードなどの設定があります。その子のペースに合わせて調整してください。

「できた」を一緒に喜ぶ

操作が成功したとき、結果を一緒に喜び、意味づけをする大人の存在が、子どもの意欲を大きく育てます。ICTはあくまで、人と人をつなぐ道具です。

7よくある質問

Q.スイッチ教材は自作できますか?
市販のスイッチ教材は高価なものが多いですが、当サイトのアプリはブラウザ上で動き、スイッチインターフェース経由のスペースキー・Enterキー入力を受け付けます。そのため、特別なソフトを自作しなくてもスイッチ教材として使えます。「ひかるボタン」など因果関係の学習から始められます。
Q.視線入力アプリは無料で使えますか?
はい。当サイトの視線入力対応アプリ(コミュニケーションボード、おえかきひろば、どこかな?カップゲーム、きょうのきろく)は完全無料です。ただし視線入力で操作するには、お使いの端末に Tobii Experience(Tobii社製の視線入力ソフトウェア)と 見るマウス(視線でマウスカーソルを操作するソフトウェア)の両方をインストールしておく必要があります。これらが入っていないと視線入力が正常に動作しませんので、事前に設定してからご使用ください。
Q.重度重複障害の子どもでも使えますか?
スイッチスキャン・視線入力・音声読み上げ・ゆっくりモードなど、様々なアクセシビリティ機能を備えています。運動機能や認知に大きな制限がある子どもでも、その子に合った入力方法で取り組めます。まずは因果関係の理解から、段階的に活動を広げていけます。
Q.アプリのインストールは必要ですか?
不要です。すべてブラウザ上で動くため、アプリストアからのインストールや会員登録なしに、リンクを開くだけですぐに使えます。タブレットでもPCでも動作します。

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